不動産特定共同事業における「組合」とは

不動産特定共同事業における「組合」とは、投資家と事業者が共同で不動産事業を行うための事業体を指します。この組合の主な特徴と役割は以下の通りです。

組合の基本的な構造

  • 投資家(組合員)と事業者(組合員兼業務執行者)で構成されます。
  • 民法上の組合契約に基づいて設立されます。

組合の主な機能

資金調達

  • 投資家から出資を募り、不動産事業に必要な資金を集めます。
  • 小規模不動産特定共同事業の場合、投資家からの出資の合計額は1億円以下に制限されています。

不動産の取得と運用

  • 集めた資金で不動産を取得し、リノベーションや賃貸、売却などの事業を行います。
  • 例えば、空き店舗をリノベーションして賃貸したり、賃貸住宅をリニューアルして転貸したりします。

収益の分配

  • 不動産事業から得られた収益を、出資比率に応じて投資家に分配します。
  • 賃貸収入や売却益などが主な収益源となります。

組合の特徴

有限責任

  • 投資家の責任は出資額に限定されます。

期間限定

  • 多くの場合、組合は一定の期間を定めて設立され、その期間が終了すると清算されます。

透明性

  • 事業者は投資家に対して定期的な情報開示を行う義務があります。

投資家保護

  • クーリングオフ制度の適用や、事業者による不適切な勧誘の禁止など、投資家保護のための規制が設けられています。

この組合方式により、小規模な不動産事業者でも投資家から資金を募って不動産事業を行うことが可能となり、地域の空き家や古民家の活用などに貢献することが期待されています。